みんな羨ましがるかもしれないが、俺の不倫相手は元デリ嬢だ。
不倫したくなって出会い系に登録して、彼女を見つけたのは三日後。宮崎市在住の女にしては都会的な色っぽさがあるなと思ってメールしたら、最近結婚して東京から引っ越してきたという。何度かメール交換して会えることになった。人妻だから、深い関係になったらW不倫ということになる。
「君のような素敵な女性なら、無数の男から声がかかるでしょう」
「そんなことないよ。連絡くれたのは貴方以外に三、四人くらいかな。もしかして引いてるのかもね。風俗嬢じゃないかと疑って」
「風俗嬢じゃないんでしょう?」
「どう思う?」
含み笑い。
「もしかして元風俗嬢?」
「うん。元デリ嬢」
これにはビビった。東京でのデリ嬢経験は四年に及ぶという。仲間の女の子からIT企業の若い社長を紹介されて結婚。一度は風俗から足を洗ったが、持ち前の淫らな性癖が黙っているわけがなく、夫の忙しさも手伝って男と遊びたくなり出会い系に来たらしい。元デリ嬢が宮崎で専業主婦なんてできるわけがないのは俺も理解できる。
彼女のセックステクニックは凄く、お金を払ってもいいレベルだった。どうしたら男が快感を得られるか知り尽くしていて、あの手この手で俺を虐める。彼女自身も全身が性感帯のように敏感で、俺の稚拙な愛撫でかなり感じてくれる。俺は風俗経験がほとんどないが、彼女とセックスしていると、風俗遊びというはこういうものなんだろうな、と想像する。
彼女とは十日に一回ほど会っている。本当はもっと会いたいが、彼女に時間がない。話を聞いてみると、他にも男がいるようだ。彼は鹿児島の男だが、彼女に会いに長い時間をかけて通ってくるらしい。
「本当は私が出張して行かないといけないのにね」(笑)
「男の方が出張してくるわけか。それだけ君のテクニックが凄いというわけだね」
こういう場合通常なら嫉妬するのだろうが、不思議と嫉妬は起きない。元デリ嬢だから他に客がいて当然だと思え、順番が来るのを待っている感覚になる。同時に、自分が不倫しているという感覚も起きない。妻への罪悪感もほとんどない。
元風俗嬢と出会い系で知り合う確率がどのくらいなのかわからないが、俺はかなり恵まれた方だと思う。
君も元風俗嬢とセックスしたかったら宮崎エリアで一番色っぽい女を探してみてごらん。その女性がたぶん、彼女だ。