地方だとある程度妥協してブスでも会うことが大事

地方だとある程度妥協してブスでも会うことが大事

今、富山市のブスと不倫中だ。

妻とのセックスレスは三年にも及ぶ。ここまでご無沙汰になると今さら妻を抱く気にもならず、かといってまだ四十歳。セックスを放棄するには早すぎる。こうなったら不倫するしかないと、出会い系サイトに登録することにした。安全を考え会員数が多い大手サイトの会員になる。

条件はなるべくいい女。恋人募集中で検索し、上位に登場した女の中からターゲットを選ぶ。

だかことごとく失敗。反応がないか、断られる。四十歳の既婚男など相手にもされないことがわかった。理由は明白だ。検索してすぐに表示される、人気の女は相手に求める条件も高いのだ。その手の女は掲示板の投稿文自体に工夫を施し、かつ更新頻度を高めて上位表示させ、集まってくる多くの男の中からいい男を見極めようと苦心している。そんな競争市場では、俺が女に出会える確率はほぼゼロだ。会員数が多いサイトで、かつエリアが地方の場合その傾向が顕著。

俺は作戦を変え、滅多に男から声がかからないような位置にいる女を探した。掲示板の投稿文もなるべく地味で、顔も平均以下の女を。

三日ほど探し回り、二十五歳のOLを見つけた。写真が貼ってあったが、一重瞼で顔がでかい。分類的にはブスだが、身体はエロい感じがした。連絡したら既婚であることに少し渋るも、会ってもいいような言葉をほのめかす。

―どうする。この女に会うか?―

念のため複数の女に声をかけた結果、顔がでかい女に会うことにした。

待ち合わせの場所にきた彼女は、プリム(つば)の広い帽子をかぶっていた。個性的なファッションだが、それを被ると顔が小さく見えるので、美容の一種だろうと思った。

「おじさん、若い女とエッチしたいの?」

とストレートに聞いてくる。

「君は嫌か? 既婚のスケベ中年」

「そりゃ独身の若い男のほうがいいわよ。でもいないもん。出会えないもん」

「短期でいいから付き合ってほしい」

「でもエッチはどうかな。不倫になるでしょう?」

「不倫は嫌か」

「奥さんがかわいそうだもん」

「いい子だね。君は」

基本的に不倫する素質のない女だと思い、初回だけで終りにしようとそれから連絡しなかった。でも数日して、二、三回くらいなら付き合ってもいいとメールが来たのだ。

「エッチさせてくれるの?」

「それがお望みなんでしょう?」

久々のセックスだった。女を抱くということはこんなに気持ちのいいものだったのかと、改めて感激。おまけに若い女。顔はでかいが乳房もでかい。俺はセックスを楽しんだ。最初はイヤイヤ感のあった彼女だが、四十男のセックステクニックに参ったのか、徐々にその気になってくる。

「もう離れられなくなりそう」

「二、三回じゃなかったの?」

「本命が見つかるまでおじさんと付き合う」

あれから半年が経つが、不倫関係は続いている。

本命の男はまだ見つからないようだ。たぶん検索上位の男を狙っているのだろう。その位置にいる男が相手にするような女ではないことになぜ気づかないのか。言ってやりたいが、傷つけることになりそうなので黙っている。

俺と彼女は検索下位の者同士、出会うべくして出会ったのだ。

出会い系の検索エンジンは上手に使いたい。

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